先日のブログでちらっと書きましたが、勇者たちの中学受験という本を読みました。目次は以下のような構成になっていて、3組の親子の中学受験が描かれています。
【目次】
エピソードⅠ アユタ
エピソードⅡ ハヤト
エピソードⅢ コズエ
具体的なあらすじが本の帯に書かれています。
アユタ
開成、麻布、武蔵、といった男子御三家レベルは難しいとしても、
栄光、聖光、浅野の、いわゆる神奈川御三家あたりに行ければいいなあ…。
アユタが可能性の塊に見えた。
ハヤト
ハヤトは塾で「三冠」に最も近いと男と呼ばれていた。
三冠とは、男子最難関である灘、開成、筑駒(筑波大学付属駒場)のすべてに合格することを意味する。
コズエ
コズエも決して勉強をサボっているわけではなかったが、
やっぱり中学受験の偏差値50は難しいのだなと実感した。
このストーリーは登場人物や細かい心理描写は脚色しているものの、受験した学校やその合否は全て実話に基づいていて、しかも学校名は実名というところがかなりリアルです。
僕は関西在住ですが、開成、麻布、武蔵、栄光、聖光、浅野などの難易度は関西でいうとこの辺かなという感覚はあるので、どれだけ難しい学校なのかは理解しているつもりです。
ただ、コズエの受験校は聞いたことがない学校ばかりだったので、読んでてしっくりこなかった部分はありましたが。
中学受験は第一志望に合格できる子は30%と言われるほどで、この物語の登場人物もうまくいかないケースが多々あります。完全に他人のことですが、ドキドキしながら読んでしまいました。
個人的に印象に残ったのは、アユタの章で、
もう一度同じこと(中学受験)をするのだと思ったら、とてつもなく気が遠くなる。
と書かれていたことです。
我が家はすでに2回中学受験をしましたが、はっきり言って気力体力、あとお金も削られます。これをあと1回やる力が自分に残されているのかと考えると、今の心境はあまり前のめりにはなれない状況です。
そもそも長男の受験の際は長男のことだけを考えていればよかったですが、三男の受験時には長男が浪人すれば大学受験をしているからです。二人の受験生とか耐えられるか心配しかない。
とはいえ三男は現在小3なので、そろそろ決断のリミットが近づいてきているのですが・・・。
もうひとつはハヤトの章より。
子供たちが笑っていて、自分はこんなに心地いい。大切な人たちがそばにいるなら、ほかに人生に必要なものなんてないじゃん。
これは思わず付箋を貼ってしまいましたが、中学受験の成績がどうだとか、志望校の合格がどうとかっていうのは、そんなことに夢中になれている時点でかなり恵まれた存在なんだと、再認識させられた気がします。
しかしこれはノンフィクションではあるものの、中学受験という題材が刺さったのか、登場人物に対して感情移入をしてしまいました。中学受験を考えている人には読んでもらいたい良書です。いい点も悪い点も、包み隠さず書かれていますので。
勇者たちの中学受験<<<試し読みできます。
コメント